2023-09-21 | EVENTS / ACTIVITIES
2023年10月7日(土)開催の「日本STEM教育学会 第6回年次大会【オンライン開催】」の一般発表の内容を掲載いたします。
予稿を掲載いたしました(2023.9.29)
開催概要・プログラム内容および参加お申し込みは、こちらよりご確認ください。
■一般発表 分科会A
座長:小川 博士(白鷗大学)
A-1)「STEM分野でのジェンダーギャップ克服のための教育施策-ドイツのベストプラクティスGirls’ Dayより-」
大洲 早生李(公益財団法人山田進太郎D&I財団),齊前 裕一郎 (公益財団法人山田進太郎D&I財団)
STEM分野人材の育成が技術革新と産業変革に不可欠であり,経済成長を促進する中で,ジェンダーギャップ問題が浮き彫りとなっている.多くの先進国が教育施策でこの問題に取り組む一方,日本の女性のSTEM分野の入学者比率はOECD加盟国中最低の17%にとどまっている.この問題に対処するため、山田進太郎D&I財団が設立され,2035年までに女性のSTEM分野大学入学者比率をOECD平均の28%に引き上げる目標を掲げている.諸外国の先行事例を参考に日本における今後のSTEM分野におけるジェンダーギャップ解消のための教育政策を検討するため,本稿では,世界的に評価を受けているドイツにおけるSTEM分野におけるジェンダーギャップを解消する施策の一つである「Girls’ Day」を取り上げ,その成功から日本の女性のSTEM分野への参画に関する示唆を得る.
A-2)「STEAMコンピテンシー評価法に関する小学校教員を志望する大学生を対象とした調査研究」
杉本 剛(東大阪大学)
小学校教員を志望する大学生を対象に,21世紀型能力に準拠した,STEAMコンピテンシー評価を課題とする実践を実施した。先ず,地域材料を活用したSTEAM教材開発を求めた。次に,STEAMコンピテンシー評価表作成を求めた。そして,グループ討論・発表を実施した。グループ討論のまとめ,発表を聞いて考えたことについて,自由記述を求めた。分析結果から,学生は,課題を的確に理解し,遂行できたと考えられる。
A-3)「STEM/STEAM教育に関する教員研修プログラムの試行」
小川 博士(白鷗大学),竹本 石樹(浜松学院大学)
STEM/STEAM教育への取組みが加速する中、世界的にはSTEM/STEAM教育に携わる教師の専門性開発(STEM/STEAM Professional Development,以下、STEM/STEAM-PD)が注目されている。しかし、日本においては、STEM/STEAM-PDに関する研究や具体的なプログラム化に着手できていない。そこで、本研究では小・中学校の教師を対象に、STEM/STEAM教育に関する教員研修プログラムを試行的に考案し実施した。実施後、受講者を対象に質問紙調査を行い、今後のプログラム開発のための示唆を得ることができた。
■一般発表 分科会B
座長:桜庭 望(八洲学園大学)
B-1)「答えのない問いに取り組むことが学習者に与える効果-火星移住をテーマとした実践事例から-」
梅谷 星菜(武庫川女子大学大学院),金子 健治(武庫川女子大学)
本研究は,答えのない問いに取り組むことが学習者に与える効果について明らかにする事を目的とした。そのことを明らかにするために「火星に移住するなら,何が一番重要ですか」という問いにグループで取り組んでもらい,事前・事後調査を行った。その結果,答えのない問いに取り組むことに対する抵抗感は減少すること,理系・文系に関わらず誰にでも取り組みやすい課題であること,学習者は意欲的に取り組み多様な学びをすることが明らかになった。
B-2)「「数学マジック」の実践とその教育的意義について」
矢田 敦之(高知大学)
数学マジックは数学に対する興味を引き寄せる魅力的な方法として機能し,学習者は,数学マジックを通して数学の面白さや驚きを体験し,その興味を高めることができる。本研究の目的は,数学マジックの教育的意義を探るところにある。このため,数学マジック「3つの山」を中学1年の「文字の式」の発展授業として行った。この結果,数学マジックが,論理的思考と問題解決能力を促進するための手段として機能したことわかった。
B-3)「探究学習を支援する人材確保について」
桜庭 望(八洲学園大学)
2022年度から高等学校の「総合的な探究の時間」が始まっている。各学校により独自の工夫で取組が行われているが、教員だけで授業を進めていくには限界があり、外部人材による支援も定着しつつある。探究学習における外部人材支援による効果や課題、学校と支援者・支援組織を結ぶシステムについて、東京都の公立高校等の事例から考察していく。
■一般発表 分科会C
座長:本多 素子(昭和女子大学現代教育研究所)
C-2)「日本古典文学の学習指導における360°動画教材活用の意義」
二田 貴広(奈良女子大学附属中等教育学校)
本研究では、日本の中学校と高等学校での日本古典文学の学びにおいて、日本古典文学作品の場面や場所を撮影して編集した360°動画を利用することで、作品のイメージの構築を助けるとともに、恣意的なイメージの喚起が生じにくくなることを示す。
C-3)「Scratch刺しゅう拡張機能の学校教育での活用可能性の検討」
本多 素子(昭和女子大学現代教育研究所)
フィジカルコンピューティング教材として,プログラムからミシン刺しゅうデータを生成できる,Scratch刺しゅう拡張機能の学校教育での活用の可能性について検討した.まず,プログラミングからミシンでの刺しゅうまでの一連の工程を検証し,次に小・中学校での学習内容との関連を考察し,複数の観点から関連付けた.さらに,類似ツールの海外での事例から,題材や学習支援のために必要なコンテンツについての示唆を得た.
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